Round1 原田 聡 vs 工藤 郁大

By Handa Takuya

2003年のGP静岡。この大会で、ファイナリストという栄誉を掴んだ環境はリミテッドだった。だが、日本選手権予選はスタンダード。最近、MTGをしていないというここでも強い所を見せ付けられるだろうか。

対する工藤郁大は基本脳内でマジックをやっているという。だがそのメタゲームの読みには自身があるようだ。最初に勝って波に乗れるのはどちらか?

Game1
原田が先攻。

原田のデッキは青緑のターボランドを思わせる蛇デッキ。《森/Forest》プレイから《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》続くターンには《桜族の斥候/Sakura-Tribe Scout》を。対する工藤は《湿った墓/Watery Grave》を置くなど、静かな立ち上がり。

……どうやら工藤のデッキは太陽拳とよばれる青黒白のリアニメイトコントロールのようだ。だが工藤はまだ原田のデッキの正体がわかっていない。これは試合にどう影響を与えるのだろうか?


《寺院の庭/Temple Garden》《幽霊街/Ghost Quarter》《島/Island》のマナベースから《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》するも、これを工藤が《差し戻し/Remand》。《桜族の斥候/Sakura-Tribe Scout》を起動し、《幽霊街/Ghost Quarter》からもう一回《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》をプレイ。

工藤は、《アゾリウスの印鑑/Azorius Signet》をプレイまだマナベース以外のものを展開できていない。これはきつそうだ。

原田は《桜族の斥候/Sakura-Tribe Scout》に《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》つけてパンチ。環境最強カードとも名高い《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》にカウンターが乗る。《絶望の天使/Angel of Despair》以外のカードで《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》に触れない工藤はきつそうだ。
Dissension
コンボパーツその一

工藤はまだ動かない。
いや、動けないのか……? 終盤のワンチャンスを信じてドローゴーを繰り返す。

それを尻目に、原田は《とぐろ巻きの巫女/Coiling Oracle》をプレイ。《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》をめくりそのままプレイする。工藤は「きつい」と一言。セットランド以外まともな動きを見せられていない。手札が土地だらけのようだ。

工藤がついに動くが、《神の怒り/Wrath of God》は《差し戻し/Remand》。工藤は渾身の《神の怒り/Wrath of God》をかわされ、もう1枚の《差し戻し/Remand》。これで勝負あった。 

「何もしてない」と、原田。《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》はそこまで環境に影響を及ぼすのだ。さすがは最強装備品。《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》のみで、原田は事故気味の工藤を下した。

原田 1-0 工藤

Game2
常に事故気味だった工藤。2本目を取り返せる事が出来るのか。勝たなければならない工藤は、ダブルマリガンからのスタート。少々きついか。

お互いに2ターン目に「お帰りランド」をプレイしてのスタート。

最初に動いたのは工藤。《強迫的な研究/Compulsive Research》で手札を充実しにかかる。《とぐろ巻きの巫女/Coiling Oracle》で《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》をめくりそのままプレイするのかと思われたがしない。

《幽霊街/Ghost Quarter》で相手の《オルゾフの聖堂/Orzhov Basilica》に向かって起動。相手のマナを縛った方がいいという判断からか、もう一枚の幽霊街で《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》も壊しにかかる。とにかく相手の基本地形切れを狙う。

《平地/Plains》2枚と《沼/Swamp》しかない工藤は、何も出来ずにゴー。

原田は《壌土からの生命/Life from the Loam》をプレイ。《幽霊街/Ghost Quarter》を2枚回収し即座にプレイし、《桜族の斥候/Sakura-Tribe Scout》でエンド。

やっと工藤の場に4マナが揃い、毎ターン《幽霊街/Ghost Quarter》を起動されてはたまらない工藤は《神の怒り/Wrath of God》。だが、そこには原田の《差し戻し/Remand》が待っていた。さらなる《幽霊街/Ghost Quarter》の連打でマナを縛りにかかり、工藤の基本地形切れを誘発。
Saviors of Kamigawa
コンボパーツその二

そしてキーカード《壌土からの生命/Life from the Loam》が循環を始め、《桜族の斥候/Sakura-Tribe Scout》が活動し続ける。

ついに工藤の基本地形が切れた。これは『幽霊街』が《露天鉱床/Strip Mine》となる事を意味する。工藤ピンチだ。《壌土からの生命/Life from the Loam》がいつでも発掘できる原田。もう工藤の土地は増えないだろう 


工藤が最後の希望《清麻呂の末裔/Descendant of Kiyomaro》をだす。もう土地の展開が望めない工藤この3マナクリーチャーにすべてを託す。原田は《壌土からの生命/Life from the Loam》を発掘し《幽霊街/Ghost Quarter》を回収。それから《そう介の召喚術/Sosuke's Summons》をプレイする。

工藤が長考の結果、《清麻呂の末裔/Descendant of Kiyomaro》で殴りかかるが、原田が《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を起動し手札を同じ数にしてトークン2匹と《ウッド・エルフ/Wood Elves》でブロック。

《清麻呂の末裔/Descendant of Kiyomaro》のみが落ちてしまう。

土地もクリーチャーも無くなった工藤は投了を余儀なくされた。


原田 2-0 工藤


Result:原田 Wins!